”心の健康診断”
「油断することなく、あなたの心を守れ、命の泉は、これから流れ出るからである。曲った言葉をあなたから捨てさり、よこしまな談話をあなたから遠ざけよ。」箴言4章23-24節
企業や自治体により、多くの 方は年に一度健康診断を受けられると思います。最近は通常の健康診断ではカバーしない項目を人間ドックにてさらに精査を受ける人も多くなり、俳優の渡辺健さんもそれで初期の胃がんが見つかり、開腹手術なしの治療ですんだというニュースを見られた方もいるかもしれません。症状が出てからではすでに重度になっていることが多い為、近年の予防医学の一環として、健康診断を受けることは大切な健康管理となることは言うまでもないでしょう。
一方、こころの健康診断については、まだまだ制度化されていないようです。大手企業ではメンタルヘルスのチェックやカウンセリングを導入しているところがあるそうです。しかしながら、心というのは、血液検査や画像診断のように結果が明らかではなく、自己申告の問診ベースによって検査されるという面があり、正確さに欠けるところがあります。もし人が正直かつ正確に自分の心を申告できたら、もっと早くにうつ病などの症状を事前にスクリーニングできたことでしょう。また、身体的治療と異なり、脳についてはまだまだ未解明の分野がほとんどで、投薬によりある程度症状をコントロールできても、対処療法的治療であり、根本的治療法はいまだないそうです。
聖書では、心を悪いことから守るようにと冒頭の箇所のように言っています。そして心を汚すのは、悪い言葉、ゴシップ、悪い談話だとも。またイエス・キリストは「人から出て来るもの、それが人をけがすのである。
すなわち内部から、人の心の中から、悪い思いが出て来る。不品行、盗み、殺人、姦淫、貪欲、邪悪、欺き、好色、妬み、誹り、高慢、愚痴。これらの悪はすべて内部から出てきて、人をけがすのである」とはっきり言われました。(マルコ
7:20-24)つまり、これらはほとんど口からでる言葉で表現されますから、相手を傷つけ、傷つけられた被害者も、そのストレスを他者へぶつけ加害者になる可能性があります。要は舌なのです。犯罪の始まりは心の中のこれらの悪い小さな思いが、ことば、行動にでるわけです。
最近職場で話題になるのが、米国の大統領選の行方について。私はこれについて、他国人の目から見て、アメリカの選挙民の動向を辛口に批判して、時に言い過ぎてしまうことが多いです。私はその手のニュースに時間をさいて読むことが多く、情報が多ければ多いほど、批評も多くなります。世界情勢、時事ニュースを最低限知ることは大切ですが、自分の心を守る工夫を生活の中で具体的にしていく必要があり、それには聖書の言葉を通して、いつも心の健康診断をしようと思わされます。情報量が多い現代において、もう少し心が平安になる、徳の高まること、信仰の成長に益となる情報に情報量の比重をおきたいと思わされました。
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